紙魚はなかなか死なない

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『文學界』デビューだそうです。

 文藝春秋の純文学誌『文學界』の今月号に、以前僕が寄稿したリフロー型電子書籍化不可能小説合同誌『紙魚はまだ死なない』が載ったそうです。マジ? と思って事の真偽を確かめるだけのためにわざわざ京都まで電車で行ってきました。なぜなら大津には『文學界』なんてハイソな本を扱っている本屋はないから……。

 で、『文學界』の実物を手に取って確認してみたところ、確かに載っていました。すごいね。みんな大好き伴名練氏によるブックレビューをいただいていたようです。伴名練氏、大学の同じサークルにいた頃は、気楽に伴ちゃんとか伴の字などと呼び親しんでいたものですが、もう手の届かないところまでいってしまいましたね……。なお実際に伴名練氏に面と向かって伴ちゃん伴の字呼ばわりした事実はありませんし、手の届かないところなのは最初からです。

 ともあれ、自分が寄稿した同人誌が有名雑誌に載るというのはなかなか面はゆいものですし、伴名練氏には感謝申し上げます。また、寄稿のお誘いをしてくださった笹帽子氏にも感謝ですね。

 なお、肝心の『紙魚はまだ死なない』は既に重版分含めて完売しており、今のところ特に再重版の話も聞いていません。電子書籍にでもできればいいんでしょうが、そもそもが「電子書籍化できない小説を書こう」というコンセプトの下に作られた本なので、それも難しいですね。

 一応、当初からの取り決めとして「初版発行日以降は、各自の判断で自身の参加作品またはそれを改稿したものを、別の場で発表したりウェブサイトに掲載したりしても構わない」ということになっていましたので、それに基づいて、かつ「電子書籍化が不可能である」というコンセプトにも敬意を表して、僕の作品については「印刷用電子書籍」という形で別途頒布をしています[1]ここだけの話ですが、この「印刷用電子書籍」という手段は参加当初から目論んでいたものです。作品自体が法学をテーマにしたものですので、それにあわせて「法の目をかいくぐるようなよくある小賢しいソリューション」を実現させることで、よりそれらしくするという演出なんですね。これは僕がよくやりがちな口からでまかせの与太ではなく、本当にそのように考えて行いました。。ご興味を持たれましたら、ご一読いただければ光栄の至りです。また、僕個人の支援サイトでは寄稿作についてのセルフ解説なども行っていますので、あわせてお楽しみいただけると幸いです。

 単なる宣伝みたいになってしまった。まあでも、これを心の支えに今後も頑張っていきます。

脚注

脚注
1 ここだけの話ですが、この「印刷用電子書籍」という手段は参加当初から目論んでいたものです。作品自体が法学をテーマにしたものですので、それにあわせて「法の目をかいくぐるようなよくある小賢しいソリューション」を実現させることで、よりそれらしくするという演出なんですね。これは僕がよくやりがちな口からでまかせの与太ではなく、本当にそのように考えて行いました。

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