alexaに支配されている

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空気清浄機が欲しかったんですよ。

 いよいよ今年も大詰め、あと一週間もすれば2021年という年の瀬になりました。年が変わると1月は行く、2月は過ぎる、3月は去るといったもので、あれよあれよという間に春がやってくるのは毎年のこと。春というと爽やかですがすがしい季節だと世間では言われていますが、そう良いばかりの時期じゃないんですよね。なにしろ飛んできますからね、スギやヒノキやイネの花粉が。

 世間様じゃ持て囃されているかもしれませんがね、僕は四季の中で春が一番嫌いなんですよ。目が覚めればくしゃみが飛び出し、窓を開けると目が腫れて、服を着替えれば肌がむずつき、外に出れば鼻水が止まらず、自室にいたって喉がかゆい。地獄とは花粉の存在なり。あと数ヶ月もすればそんな季節がまたやってくるのかと思うと、今から憂鬱にもなるってものです。

 で、せめて自室にいる時くらい花粉のことを忘れたいというのが人情なので、ひとつ空気清浄機でも買ってみようかと思ったわけなんです。本体が数万円する上にフィルターが使い捨てとかいう、ずいぶんと金と手間のかかる機械ではありますが、それで花粉のつらさが少しでも和らぐなら安いものですからね。重度の花粉症を患っているとそのような思考にもなるってものです。

 そういうわけで毎度おなじみヨドバシカメラ京都店に行ってきたんですが、どの製品にしようかと悩んでいる時に、ついalexaに対応しているかどうかを重視してしまう自分がいることに気がついたんですよね。サイズやデザインがちょうどよくても「でもこれ、alexaで操作できないんだよな……」と考えてしまうんです。これはもうalexaに支配されていると言っても過言ではありませんよ。

 でもねえ、仕方ないじゃない。エアコンにしたって室内灯にしたってテレビにしたってオーディオプレイヤーにしたって、みんなalexaに声を掛けるだけで操作できるのに、なんで空気清浄機だけ手で操作しなきゃならないの。同じことをリモコンの有無で感じたことは皆さんにだってあるはずです。買おうとしたテレビにリモコンがついていなかったら「正気か!?」ってなるでしょう? それの一段階進化した状態なだけなんですよ。皆さんはリモコンに支配されている、僕はalexaに支配されている。そこに何の違いもありゃしないだろうが!

 そんな状態なのでalexaに対応しているかどうかでフィルタリングをしてみるとですね、まあ死ぬほど大きいのしかないんだわ! 「8畳程度の部屋で暮らしているようなやつにはボタンがお似合いだぜ!」という強い意志を感じざるを得ない。本当に日本企業くんさあ、そういうとこだよ? という気持ちにもなろうというもの。花粉は絶対になんとかしたいけどボタンは絶対に押したくないという、僕にとってはハチャメチャに重大だけど他人からすれば本気でどうでもいい二律背反で苦しんでいます。なんとかならんか……。

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