嘘をつくのは楽しい

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たほいやをやったというだけの話です。

 まるでサイコパスみたいな記事タイトルですが、バレないように嘘をつくゲームをやって盛り上がっただけのことなので、タイトルは釣りです。「たほいや」というゲームがありまして、まずメンバーの中で親を一人決めます。親は辞書を繰って、聞いたこともない単語を見つけて、その読みだけを子に開示します。例えば「はなこんごう」とかですね。で、子はその言葉に対する語釈をいかにもまことしやかにでっち上げ、親にこっそり引き渡します。「はなだ色に染めた布地に金糸を織り込んだもの。花色金剛とも」とか「バラ科の多年草。日本および中国の山野に生える。草丈は五〇センチメートルほど。初夏、黄色の花をつける」とか。全員の嘘語釈が出そろったら、親は本当の語釈を選択肢に混ぜ込んで、子に一斉に開示します。それを見て、子はどれが本当の語釈かを当てる、というゲーム。ちなみに「はなこんごう」の本当の語釈は「能の室町末期の金剛太夫八世氏政のこと。鼻声であったのでこう呼ばれたとも、高慢であったからともいわれる」です(出典:精選版日本国語大辞典)。

 これを小説書き仲間とやってみたんですが、これが非常に面白い。どれが本当の語釈か当てるのも楽しいんですが、それ以上に嘘の語釈をでっち上げるのが最高に面白い。考えてみれば、たほいやでの子の行動は「言葉を分解して解析・推測する」「それっぽい嘘の理屈を並べ立てる」「辞書の文体をパスティーシュする」という行為に分解できるわけで、これ全部ぼくの大好きな行動なんですよね。1つ目なんかはまさにそのものをFANBOXで月1更新していますし、2と3は艦これの同人誌リフロー不可合同誌でやった、一種のライフワークです。それを全部盛り込んだものが面白くないわけがない。カレーにトンカツとエビフライ乗せたら美味しいに決まってるだろ!

 嘘をつくといっても、単にその場しのぎの脈絡のない嘘をつくのは大して面白くなくて、たほいやや『日本史の中の深海棲艦』のような「いかにも真実めいた、理屈の通っていてそれっぽい」嘘をつく時にこそ快感があるんですよね。多分嘘をつくことそのものよりも、「つじつまを合わせる」、「整合性を持たせる」という行為が快楽中枢を刺激するんだと思います。小説を読んでいて、伏線が回収された時のあの快感と同じですね。ただ、このツボは陰謀論だとかオカルトだとかも使っているものなので、取り扱いには注意が必要なわけですが。

 そんなわけで3時間くらいひたすら盛り上がった。たほいやのいいところは、プレイ後にしっかりそのログが残るというところで、せっかくなので仲間内で使っているWikiに公開してみました。普段はドキュメンタリー映画の感想とかを共有する場として使っているんですが、こういう使い方も悪くない。各問題、どれが正解かは1クリックしないと表示されないようにしているので、みんなも難問解けるかチャレンジしてみましょう。

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