フォントワークスLETSを解約した

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フォントワークスLETSってなぁに

 今や一切更新されず放置されて、草は生えるわ柱は朽ちるわ竹は貫くわと自然に帰るがままとなっているこのブログだけれども、FONTPLUSというWebフォントを使用している。Webフォントが見づらいなどという声も主にはてなブックマーク経由で聞こえてこないではないが、このブログは僕の所有物であるため、僕が見やすければそれでいい。はてブユーザーが見やすいかどうかとかどうでもいい。大体にしてWebフォントが見づらいとかいう人は、その使っている低解像度のモニターに問題があるのだ。このDXの時代、さっさと4Kモニターに買い替えた方がいい。

 さて、このFONTPLUSだが、わざわざ金を払って契約していたわけではなく、フォントワークスLETSというフォントのサブスクサービスの特典としてライセンスが付与されていたため、それをありがたく使っていた。フォントワークスといえば有名どころではエヴァンゲリオンのマティスEB、キルラキルのラグランパンチなどを発表している大手フォントベンダーだ。そのフォントワークスのフォントが全種類使い放題というのがLETSなるサービスで、就職活動を終えた自分へのご褒美として、大学4年の時に契約をした[1]同時にモリサワ製フォントが使い放題のMORISAWA PASSPORT(年50,000円)も契約したが、そちらは数年で解約した。

 契約当初は特に使い道をイメージしていたわけではなく、フォント好きとしてあこがれのフォントを所有する欲求を満たすためという、いささか非生産的な目的で年24,000円を支払っていたのだが、このフォント群をどうにかして有効活用したいという思惑もあり、そのうちに同人誌の発行に手を出すようになった。手段に目的を後付けする、政治でよく見るパターンだ[2]こういう状況を指す行政学用語があった気がするのだが、もう大学時代の記憶は砂のように消え去ってしまった。ゴミ缶モデルだっけ、違うっけ……。。とはいえ同人誌で主に使っていた本文書体はなんとフォントワークス製でないもの[3]字游工房製の游明朝体と游明朝体五号かなの混植。であり、フォントワークス製フォントはもっぱら表紙ロゴくらいでしか使用されないという実態であった。でも所有することが幸せだからそういうのどうでもいいの……。

LETSとの訣別

 そんな感じで、大して使いもしないのに年24,000円という高額のサブスクを更新し続けていたのだが、そんな生活にも終わりは来る。フォントワークスが2021年にLETSのライセンス形態をリニューアルし、それまでの「1PCあたり年24,000円」から「1ユーザー(最大2PC)あたり年49,500円」へと大きく変わった。フォントワークス的には「より良いクリエイティブ環境を実現するライセンス形態と機能をそなえた、現代をリードするフォントライセンスへパワーアップし[4]https://fontworks.co.jp/news/2021/01/19/9622/」たつもりらしいが、趣味的に1PCで使ってきたユーザーからすると単なる倍額値上げの暴挙でしかない。幸か不幸かそのリニューアルの前年に3年契約を結んでいたため、今年7月までは旧価格で利用ができたが、そこからの更新は新価格にならざるを得ない。

 僕は「おいしくなって新登場」と称して量が減るなどの実質値上げの類が大嫌いだ。値上げするなら正直に「昨今の情勢を鑑み、心苦しくはありますが」などと言えばいい。値上げ自体は罪ではない。しかし「お客様のニーズに寄り添うためにリニューアルしました!」などと美辞麗句を並べておいて火事場泥棒的に値上げする、その詐欺師のような精神性は充分罪に値すると思う。LETSはまさにそれをやってのけ、フォントワークスへの信用は一気に失われた。更新する価値ももうあるまいと、7月頭には早々に契約解除申請を行った[5]実際ほとんど使っていないサブスクに年49,500円は高すぎるからという面もあったが、それ以上にフォントワークスの精神性が気に入らなかった。やっぱあの会社ソフトバンク子会社の傘下に入ってからおかしくなったよ。。同人誌の本文書体は永年ライセンスのものをすでに所有しているし、今や大抵のことはAdobe Fontsで事足りる、という事情もそれを後押しした。

Webフォントをどうするか

 最初に書いたとおり、このブログはFONTPLUSというWebフォントサービスを使っていて、それはLETSの特典として無料で付与されたものだった。しかしLETSをやめるとなると、FONTPLUSのライセンスもなくなることになる。ちなみにだがLETSのリニューアルは価格改定が行われるだけでなく、FONTPLUSの無料ライセンスという特典も廃止されるため、本当に実態としては改悪に近いと思う。少なくともフォントワークスは個人ユーザーを切り捨てた、ということだろう[6]個人ユーザーにはmojimoという別のサービスを用意しているという見方もできなくはないが、使用可能なフォントの種類などを見ればLETSの代替手段とはなりえないのが現実だ。

 FONTPLUSのライセンスがなくなると、困るのはこのブログの運用だ。このブログの文字の99%以上[7]100%な気がするけど指定漏れがあるかもしれないので便宜上こう書いている。はFONTPLUSでフォントを指定している。これがすべてメイリオになるという悲惨な状況はできれば避けたい。かといってろくに更新もしていないこのブログのために、改めて有料ライセンス(月1,100円)を取得するというのもなんだかバカみたいな気がする。

 さてどうしたものか……とぼんやり考えているうちに、LETSの契約期限が来て、自動的にFONTPLUSも解約された。ブログの表示はどうなっているのだろう、と久しぶりにアクセスしてみたら、暴力的なメイリオの羅列! 僕は嘔吐した。これはいけない。いくら更新していないからといってもこれはさすがにいけない。こうなったらブログを消すか有料ライセンスを取得するかの二つに一つなわけだが、さすがにブログを消すのは惜しい気がする。友人がTwitter(自称X)でブログ更新ツイートをしているのを見て、僕もブログ書いてみるか、となった時の行き先がなくなるのだ。そんなもの故郷の村を燃やされるようなものだ。ブログはねえ、帰る場所なんだ……。

 そういうわけで、とりあえずFONTPLUSの有料ライセンスを購入して様子を見てみることにした。月1,100円はATOKプレミアムよりは高いがDAZNに比べれば圧倒的に安い。おまけにDAZNに金を払っていても阪神が負ければ嫌な気持ちになるというのに、FONTPLUSは別に払うだけ払って放置していても嫌な気持ちになるということはない。つまりDAZNよりコスパがいいのだ。だったらいいだろう。更新もされないブログに有料のWebフォントが使われていても。DAZNよりマシなのだから。それにひょっとしたら今後、「せっかく金かけてるんだから更新してみるか……」という気持ちがわかないという保証もない。今はそっちに賭けてみることにしよう。

脚注

脚注
1 同時にモリサワ製フォントが使い放題のMORISAWA PASSPORT(年50,000円)も契約したが、そちらは数年で解約した。
2 こういう状況を指す行政学用語があった気がするのだが、もう大学時代の記憶は砂のように消え去ってしまった。ゴミ缶モデルだっけ、違うっけ……。
3 字游工房製の游明朝体と游明朝体五号かなの混植。
4 https://fontworks.co.jp/news/2021/01/19/9622/
5 実際ほとんど使っていないサブスクに年49,500円は高すぎるからという面もあったが、それ以上にフォントワークスの精神性が気に入らなかった。やっぱあの会社ソフトバンク子会社の傘下に入ってからおかしくなったよ。
6 個人ユーザーにはmojimoという別のサービスを用意しているという見方もできなくはないが、使用可能なフォントの種類などを見ればLETSの代替手段とはなりえないのが現実だ。
7 100%な気がするけど指定漏れがあるかもしれないので便宜上こう書いている。