買いよし2024

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2024年はいろいろ買いました

 もう2024年も終わりですね。買い残したものはありませんか?(消費社会すぎるキャッチフレーズ) というわけで、今回は2024年の買い物の中で、特に買ってよかったものをリストアップしていきたいと思う。特に今年は新居への引っ越しに伴って大型家電等も大量購入しているため、その方面からのランクインが多くなった。

 なお、今回は「買ってよかったもの」というリストの趣旨上、リストアップの対象とするのは直接的に購入したモノに限り、いわゆるコト消費やトキ消費によって得られたモノは除外した。

東芝製ドラム式洗濯機

 これは本当にガチ。みんな言ってるけどガチ。小さい子どもがいるとか運動部の子どもが3人いるとかでない限りは買った方がいい[1]ドラム式の難点として、小さい子供が入り込みやすい、一度に大量の洗濯はできないなどがある。。洗濯物をベランダまで運び、洗濯物を一枚ずつかけていき、乾いたら取り込み、雨が降っていたら部屋になんか干すための世界樹みたいなやつ(あれなんて言うんだ?)を広げて干し……という工程がすべてなくなるのは、ドラム式洗濯機の高額さをもってしても2秒で損益分岐点に到達するレベルのメリットだ。そもそもがベランダの物干しざお、なんか不衛生に感じられて嫌なんだよな。せっかく洗剤できれいになったタオルを雨ざらしの棒にかけるの、台無しすぎないか……?

 なお、ドラム式洗濯機を買う際は、洗剤の自動投入機能があるものにした方がいい。おしゃれ着はともかく、普段のルーティン的洗濯については一切の思考をしなくてよくなる。ボタンを押すだけ、ピッ。確かに自動投入機能付きの機種は少し高くなるが、そもそも6ケタ円の買い物なのだから、そんなところでケチらず徹底的に便利にしてしまうべきだ。スマホ連携機能は今のところなくてもいいなという印象だ。

 僕は東芝製のものを買ったが、別にほかのメーカーのものでも構わないと思う。ただ、あまり安いものを買って洗濯や乾燥の性能が微妙だとそれこそ安物買いの銭失いになってしまう。そういう意味でも洗剤の自動投入機能が一つの基準になるかもしれない。ちなみに僕が東芝製にした理由は、洗浄力と後述するキャンペーンの存在だ。また、後で調べたところ東芝製のものは他社製品と比べてフィルターの掃除がかなり楽らしい。毛屑が集められて綿飴みたいになったものがワンタッチで取り出せる。恋人はそういうゴミを取り出すのが好きらしく、フィルター掃除を謎の娯楽として率先してやってくれているのでありがたい。

ミラブルシャワーヘッド

 シャワーヘッドはある程度いいのを使え。別にミラブルである必要はない。最低限、シャワーヘッドのボタン押したら水が止まるやつを使え。それがあるなら別に買い替えなくていいです。

 新居の備え付けシャワーヘッドがマジの無課金シャワーヘッドという感じのものだったのでワァ……となっていたが、折よく東芝が「ドラム式洗濯機買ったらミラブルzeroプレゼント!」という謎キャンペーンをやっていたので、ありがたくそれに乗っからせてもらうことにした。なので、厳密にはミラブルzeroは今年買ってよかったものではない。今年なんか知らんが貰えてよかったものだ。

 シャワーヘッドにボタンがついていると、洗ったりすすいだりのたびにいちいち蛇口をひねらなくて済むので便利だ。人によっては「マウスにホイールがついていると、いちいちスクロールバーをクリックしなくて済むので便利だ」レベルの当たり前なことを言っているように聞こえるだろうが、新居のシャワーヘッドが無課金装備だったんだから仕方ないだろ。改めてシャワーヘッドのボタンのありがたみを感じた。あと水がミストみたいな出方するモードは普通に気持ちいのでおすすめだ。

パナソニック製電動アシスト自転車

 自転車を趣味としている友人がいるが、彼がこの項目を見たら怒りのあまり車輪骸骨になってしまうかもしれない。しかし、悲しいかな僕にとっては自転車は移動するための道具でしかなく、そういう人間にとって電動アシスト自転車はあまりに便利な代物だ。

 自転車を漕いでいて個人的に一番嫌なのは、段差やカーブなどのために減速しなければいけない時だ。これはなにも僕がスピード狂なわけではない。安全のためにも適切な減速が必要なのは承知しているし、実際にちゃんと減速もしている。だが、減速するとちょうどいい巡航速度に到達するまでまた強めに漕がなければならず、どうにも損をした気持ちになるというのは否めない。ところが電動アシスト自転車ならもうそんなことを考える必要ないのだ。軽く一漕ぎするだけですげえ速度が出るので、減速による慣性エネルギーの損失とか本当にどうでもよくなる。なんぼでもブレーキかけたるわい。最初は「こんなに簡単に速度が出たら危ないんじゃないか?」と思っていたが、むしろ普通の自転車より安全な運転ができている。

 パナソニック製のものにした理由は、普通の自転車と違って電動アシスト自転車のメインはバッテリーなので、自転車メーカーよりも電気機器メーカーの方が信頼できるな、と思ったからだ。パナソニックの家電は指定価格制度により値引きはおろか量販店のポイントも付かないので、どうも避けて通りがちだったが、なぜか自転車は指定価格制度の対象外らしく、普通に値引き品をポイント付きで買えた。家電の王が自転車界では新参者に身をやつし、生きるためにはプライドをかなぐり捨ててでも値引きをしなければならなくなるの、なんかぞくぞくするな[2]パナソニックはナショナル自転車工業を祖とする老舗だぞという指摘を複数いただいた(知らなかったそんなのの画像)。じゃあどうして自転車だけ指定価格制度の傘の外に……。

フランスベッドのマットレス

 「人間は人生の3分の1を寝具の上で過ごすのだから、寝具には金をかけろ」という言葉があるが、この言葉自体はとんでもない詭弁である。そんなことを言ったら「人生の24分の23はパンツを穿いて過ごすのだから、パンツには金をかけろ」という理屈も成り立ってしまう。というわけで上述の言葉は詭弁なのだが、それはそれとして寝具には金をかけるべきである。理屈がおかしいだけで結論としては合っている、こうした詭弁を見抜く力こそ、この大陰謀論時代を生き抜くのに必要なスキルだ。

 さて、寝具には金をかけるべきだが、あいにく自分にも恋人にも寝具についての知識がない。そんな中でどうやって寝具を選べばよいか。ショールームで寝比べるのはもちろん行うべきだが、そんな短い時間で寝具のすべてを判断はできない。そもそも入眠に至っていないのだから。そんなわけで僕が導き出した答えは「よく寝れた実績のある寝具にする」ということだ。幸い、コミックマーケット等のたびに僕も恋人もそれぞれお世話になっていた寝具がある。東横インのベッドだ。あれなら確実に快適な入眠ができる。というわけで同じメーカーのほぼ同じ製品を買うことにした。多少高くついたが、おかげで毎日バカみたいにすぐ入眠できている。やはり寝具には金をかけるべきだ。なにせ人間は人生の3分の1を寝具の上で過ごすのだから。

Amazon Echo dotとSwitchbot各製品

 いわゆるアレクサだ。アレクサとSwitchbot各製品自体は数年前から所持していたが、それは自室内で完結するオートメーションにしか使用していなかった。今回、自室に恋人の部屋にキッチンリビングに寝室にと、たくさん部屋がある新居に引っ越したので、これを機にもう一台アレクサを買うことにした。もともと所持していたのは前面全体が液晶ディスプレイになっているEcho Showという製品だったが、正直ディスプレイはそんなに必要ないかもなと感じていたので、最低限時計として機能する程度のサイズだけディスプレイがあればいいかという判断でEcho dotを購入し、寝室に設置した。

 既に所持していたものではあるため分かっていたことだが、やはり便利だ。「アレクサ、おやすみ」と声をかけるだけで各部屋の照明を消したり常夜灯にしたりしつつ、薬を飲んだかどうかなどのリマインドをさせたり、「アレクサ、降水確率」と声をかけるだけで住まいと二人の職場それぞれの降水確率を一括してしゃべらせたり、スマートボタンで自室の照明を明滅させることで呼び出しの合図にしたり、暗くなってきたら自動で常夜灯を付けたり、人感センサーで照明の消し忘れを検知して勝手に消したりとやりたい放題やっている。

 ただ、そうはいっても多少の不満はある。Switchbotの水漏れセンサーを蛇口の下に設置し、一定時間以上連続して水を検知したら蛇口の締め忘れアラートを出す、という使用法を考えていたが、水漏れセンサーは水に濡れた瞬間に「重大な通知」をスマホに送信する仕様になっていた。これはなぜか設定でオフにすることができないので、水道を使うたびに重大な通知が来てしまい(水漏れを連続してn分検知したら、というトリガーも用意されているのに!)、まったく使い物にならなかった。また、スマートボタンはアレクサとの連携ができず、Switchbot製品を動かすことしかできないため、例えばボタンを押すとアレクサにアナウンスさせる、といった使用法ができないのも残念だった。他にもSwitchbotの電球はなぜかE27型のみで、E17型をスマート照明にするにはhueなど他のブランドのものを使わなければならないのは本当に意味が分からなかったし、アレクサには照度センサーという概念がなぜかないため、Switchbotの照度センサーで日没を検知したらアレクサ経由でhueのダウンライトをつける、といった連携もできず、hueの照明はhueの照度センサーで管理するしかないのは、純粋にボケナスといった気持ちだった[3]この点についてはmatterで解決できるっぽいが、そのためには結局hueブリッジとHomepod miniを購入しなければならない。

 なんか文章の半分くらい悪口になってしまったが、まあでも便利なのはこの上なく便利だ。これからスマートホームを構築しようとしている人に対しては、「おすすめはできるが、思っているよりかなり自由度の低いローコード開発になるので、あらかじめ製品のラインナップと各製品の仕様をしっかりチェックし、何ならできるか、何ができないかを事前に充分に検討しておくこと。五月雨式に購入して機能を追加していくのはおすすめできない」とアドバイスをしておきたい。まあその仕様が買うまで分からないこともあるという問題はあるが。

ポールハンガー

 これは文句なしに便利だった。帰宅直後、コートやマフラーやカバンをいちいちクローゼットにしまうのを億劫に感じていたのだが、ポールハンガーをそれを完璧に解決してくれる。なにせ枝にファサっとかけるだけでいいのだ。それでいて、そんなズボラな使用方法の割には、なんかおしゃれなインテリアぶった見た目ができるやつなので、ファサっとかけただけなのにだらしなさがあまりない。もちろん何でもかんでもかけるような使い方をするとだらしなくなるが、ある程度なら持ち前のおしゃれさで吸収してくれる。西島秀俊あたりがバラエティ番組で三の線をやってもなんか絵になるのに似ている。

 唯一の難点としては、それなりに場所をとることかもしれない。とはいえハンガーラックなんかよりかは圧倒的に省スペースなので、スペースに多少の余裕がある人ならぜひ導入をお勧めする。購入の際は、回転できるものであること、重めのコートに耐えうる耐荷重であることなどを条件にするといいだろう。僕は不二貿易のものを購入した。

ペットボトル用保冷ホルダー

 ここから急に価格帯がガクッと落ちるが、それでも買ってよかったものには変わりない。ペットボトルがすっぽり入り、そのまま飲めるタイプの保冷ホルダーだ。僕は金曜日になると500mLペットボトルのコカ・コーラを購入し、それをちびちび飲みながら友人と麻雀通話をしたり作業をしたりして週末の夜を過ごすことを楽しみとしているのだが、特に夏ともなるとすぐにコーラがぬるくなってしまう。ぬるいコーラを飲むのはおじいさんだけ、というリトアニアのことわざもある(ない)。どうにかならないかな、と思い、保冷ホルダーを買ってみた。

 はたして保冷ホルダーは期待以上の働きをしてくれた。10時に栓を開けたコーラが、翌朝4時になってもキンキンに冷えているのだ。それどころか飲み残した状態で睡眠をとり、昼すぎになってもそこそこの冷たさを保っている。まあ寝るときはさすがに冷蔵庫に入れればいいだろとは思うが、夜通しちびちび飲む分には十分すぎる保冷性能を発揮してくれている。

 僕はAmazonでアトラスというブランドのものを購入したが、多分その辺の量販店にも他メーカーのものがある気がする。ただし、購入の際は対応しているペットボトルのサイズに注意した方がいいかもしれない。例えばコカ・コーラの500mLペットボトルは他の製品に比べてかなり背丈が高い。また、ペプシの一部商品などは他製品より一回り太かった記憶がある。そうした商品をよく買う場合、問題なく使用できるかの確認は必要になるだろう。

電話メモ

 とうとう価格帯が500円を割ったが、買ってよかったんだから仕方ないだろ。職場で電話対応をしたときに思わず舌打ちしそうになる瞬間といえば、「○○はただいま席を外しておりまして」という返答に対して「じゃあご伝言だけお願いしてよろしいですか?」と来られた時だろう。「ご伝言だけ」ってなんだ「だけ」って。内容を聞き漏らさずメモして適切に要約した内容に清書してそいつのデスクまで行ってメモを置いて帰るのがどれだけ面倒だと思ってるんだ。二度と「だけ」とか言うな。というか伝言を頼むな。「じゃあまた電話します」っつえ。

 電話メモはその作業をほんの少し軽減してくれるアイテムだ。付箋に「__受、_日_時_分、____様から電話がありました」「□__-__-__まで要折り返し □_日_時頃に再度電話予定」などの文言があらかじめ印刷されているので、空欄を埋めてチェックを付けるだけである程度メモとしての体裁が整う仕組みになっている。もちろん伝言を頼まれた場合は用件を書かなければならないが、それでも「○○さんからお電話がありました。折り返しお電話をお願いします」などと長々書く必要からは解放される。

 「電話メモなんてPCでとってメールすればよくない?」「電話なんてデスクにないんだけど」「まだ物理出社で消耗してるの?」などと思われる方もいるだろう。しかし、世の中にはリモート出勤などなくわざわざ職場まで通勤を強いられ、Microsoft Office以外のソフトを入れることすら許されない低スペックPCで作業させられ、メールやSlackなどではなく固定電話で内外とやり取りをしなければならないような「ダサい」会社で働く人間も、みんな知らないだけで実はたくさん存在する。そんな人々をもし見かけたら、優しくしてあげてほしい。

タフグミ・グレーピーパンチ/キウイスパーク

 買ってよかったもののレギュレーション的に食品ってアリなのか? でも書きます。もともとタフグミが大好物だったのだが、もともと住んでいた街のスーパーにはソーダ・コーラ・エナドリの3種アソートしか売っていなかったので、他の味があるとはつゆ知らずもぐもぐ食べていたのだが、引っ越し先の近所のコンビニにグレーピーパンチなるものが売っていたため試しに買ってみたところ、これがバカみたいにおいしい。都会にはこんなものがあるのか、都会に越してきて本当によかった、と感動したのを覚えている。

 その後、別のコンビニにはキウイスパークという味も売られていることが発覚し、それも買って食べてみたところこれがアホみたいにおいしい。一生グレーピーパンチとキウイスパークで生きていこうと思ったが、残念ながらキウイスパークは冬季限定フレーバーらしい。期間限定フレーバーほど嫌いなものはないというのに、そんな……。期間が終わればもう味わうことすらできなくなり、こんなことならあの味を最初から知らなければよかったと後悔に苛まれる、あの憎き期間限定フレーバー! まあでも味を知ってしまったのは仕方ないので、期間が終わるまでに食いまくってやるからな。覚悟しろよ。

おわりに

 2024年買ってよかったものアワードには上記9品がノミネートされ、厳正なる審査の結果、栄えある大賞にはドラム式洗濯機が選ばれた。ドラム式洗濯機は、昨年の大賞受賞者である阪神タイガース日本一記念クリスタル盾からトロフィーを授与され、その後の受賞スピーチで差別と分断のない世界を訴えて会場は万雷の拍手に包まれた。惜しくも次点となったマットレスには、昨年次点だった阪神タイガースリーグ優勝記念ピアノ塗装プレートから記念品が手渡された。

脚注

脚注
1 ドラム式の難点として、小さい子供が入り込みやすい、一度に大量の洗濯はできないなどがある。
2 パナソニックはナショナル自転車工業を祖とする老舗だぞという指摘を複数いただいた(知らなかったそんなのの画像)。じゃあどうして自転車だけ指定価格制度の傘の外に……。
3 この点についてはmatterで解決できるっぽいが、そのためには結局hueブリッジとHomepod miniを購入しなければならない。